NO lite 〜shiden and yu〜 + you
「たっく……あの馬鹿は何処に行ったんだか…」
お寺の柱の真ん中に腕を組んで寄りかかっている20代くらいだろうか。
美男が言った。
それに答えるように、
「そやな。何処行ったんか…」
大阪弁みたいな喋り方で首に十字架を掛けている男が言う。
「なぁ、アイツが行きそうな所わかるかい?」
「分からへんな…どこ行ったんやろ…」
「僕はさ、アイツに嫌われてて君にはなついているんだからさぁアイツが行きそうな所しらないのかい?」
「そー言われてもなぁ…知らへんし…」
その会話に口を挟む
「大丈夫でしょう。多分…御腹が減ったら帰ってくるんじゃあないかしら…」
紫色の髪とそして白いワンピースを着た美少女が飲み物を持ってあらわれる。
「ああ!ありがとう。乙女さん」
そう言って、腕を組んでいた美男が紅茶をすする。
同じく十字架のネックレスをした男もコーヒーをすする。
「そうかな?僕はそう思わないけどね。」
さっきの意見に答え、腕を組直した美男が言う。
「しかも、一ヶ月も帰って来てない……可笑しいと思わないかい?」
「…………」その意見に二人は黙ったままだ。
「僕があの子を健に(仲谷)預かるからさ♪とか言っておきながら……こんなことが起きるなんて思ってもいなかったよ。本当に……あの馬鹿……」
美男は酷く苛立っていた……。
風が三人の髪をなびかせる。
「仕方がない…探しに行こうか…」
美男は、白い着物に着替えた。
「行くよ。7代目…連…」
少し間を空け答えた
「そうやね。いこか。」
「私も…連れてて…!!」
といいかけた時美男が口を挟む。
「乙女さん…君は…残ってて居てくれないか?念のために。」
「でも……。」
「頼むよ…。こういうことは、僕達でするから…。」
「………。分かったわ…。」
風で着物がなびく。
「さぁ…行こうか…馬鹿を探しに。」